二冊の自衛官

今年になって手にした本の中に自衛隊をモデルにした小説を二冊読みました
一つは『土漠の花』月村 了衛 著 もう一つは『空飛ぶ広報室』有川 浩 著

《土漠の花》は、人道支援を目的として日本からソマリアに派遣された陸上自衛隊隊員、その隊員たちが戦闘事態に巻き込れ必死の逃走劇が書かれた小説

《空飛ぶ広報室》は、不慮の事故でP免になった戦闘機パイロット、資格を失い次に配属されたのは先は防衛省航空自衛隊航空幕僚監部広報室。ひと癖もふた癖もある先輩たちの中で広報官として成長していく小説
特に最後の“あの日の松島”は、この本の出版が東日本大震災前だったが、震災があったために追加された話です
実際に映像で自衛隊の活躍を目にしていた私には感慨深いものがありました。

自衛隊には色々な活動制約があり、武力の行使、武器の使用、救助活動以外で私有地に立ち入ることを許可されていない・・・etc

そんな制約の中、二冊の小説では、処分されることも覚悟の上で無理矢理な理屈付けをし、通常の制約を超えた活動をします

《土漠の花》では、自らに対する攻撃への対抗措置として武器使用を判断し、敵対勢力との戦いに踏み込みます
実戦経験のない自衛隊員、訓練では自衛隊随一とされる射撃の名手が、実際に人を撃つという行為に怖気づくところはリアルです。

《空飛ぶ広報室》では、原則を守っていてはとても復興はままならない 起死回生の策を打ち、当時の基地司令が、「基地からの流失物を捜索せよ」、という命令を下し、私有地内の瓦礫の撤去や泥掻きを行います。

税金を使って訓練しているのだから当然だ、と思う人も中にはいるでしょう、でも、いくら給料をもらっているからとは言え、自分の家族の事は後回しにし、知らぬ他人を助ける任務を優先する自衛官、そこまで他人に尽くせるのものでしょうか 頭の下がる思いを感じました。

本の中で言っています

「自衛官は被災地に暖かい食事を届ける能力がある 自衛官の活動が国民の安心になる」

改めて自衛隊に関し、考えさせられる二冊でした。

安全保障法案と集団的自衛権、賛否両論ありますが、願わくば『陸自、海自、空自』から『陸軍、海軍、空軍』になって欲しくないと思います、が、世界を震撼させるテロに対して果たして今まのままで日本を守れるのか・・・複雑です。
「一雨一度」
秋の今ごろは一雨降るたびに気温は1度下がると言われます、
体調管理には十分気を付けて過ごしたいと思います

写真
左はふくい健康の森の銀杏並木
右は“じのもん”を使った“割烹 間海”さんのお弁当 おいしゅうございました♪←(岸 朝子さん風)

aki